第53章 猫とイヤミ
全裸で死んだ蛙のように伸びていたイヤミがトド松の足を掴んだ。
「ひっ!いやぁっ!
キモイッキモイッ!!!」
ガスガスッと顔を踏み潰すトド松。
「………フッフフフフフ……ッ……!」
「ヤバい、こいつ狂ったぞ」
「ミーは……ミーは狙った獲物は逃さないザンスよ……
小娘ちゃんはミーが貰うザンス!!!」
「「はぁっ!?」」
ガバッと立ち上がる全裸のイヤミ。
「ちょっとお馬鹿でチョロい小娘ちゃんをミーによこすザンス!!!」
「チョ、チョロい?お馬鹿……?」
地味にショックを受けるヒナ。
「「やるわけねーだろっ!!!」」
「同じクズでも6対1!ミーのほうが断然お得ザンス!!!」
「カラ松降ろして。
馬鹿って私のことですか?イヤミさん……」
「ソーザンス!」
「倒れてるところを助けて、面倒みた私がチョロくて馬鹿ってことですよね?」
「ソーザ……っ、シェッ……ッ!!!」
「「……っひぇ!!!」」
ヒナはイヤミの出っ歯と同じくらい大事な部分を思い切り蹴りあげた。
「イヤミさん?もう部屋にも私にも近寄らないでくださいね?」
ニッコリとヒナが言ったときにはイヤミは完全にのびていた。
「か、帰ろぉ~ヒナ!」
焦るように手をバタつかせる十四松。
「うん。一松、羨ましそうな顔しないで?やらないよ?」
「い、いや、さすがに俺もあれは……」
「いや闇松兄さん、目が輝いてたよ?ヤバいから」
「はっ!まさかっ今日は逆お仕置きプレイ!?
何それっ興奮するっ!」
「お前はそればっかだな……
あーんっ!でもちょっとして欲しいかもぉーっ!」
「カラ松……なんで距離取ってるの?」
「そっ、そそそっ、そんなことないぞハニーッ!?
お、俺の愛は何があっても揺るがない!アンダスターンッ?!」
「……必死に英語出すところがビビってる証拠」
「……」
「ち、違うっハニー!ちがぁーうっ!」
イヤミは再び起き上がる。
「……ミーは……ミーは……諦めないザンスよぉぉお!」