第53章 猫とイヤミ
次の日、小娘は朝っぱらからやってきた。
「おはようございます!イヤミさん!」
「……チミ、朝、早いザンスね……」
せっかくベッドを満喫していたのに……
こんな時間に人に起こされることなんて何年ぶりザンショ。
「でも、いつも通りですっ!
部屋を掃除します!
お風呂換気します!
シーツも洗います!
あと服っ!お父さんに貰ってきたので、こっちに着替えて下さい!
全部洗います!!!痕跡残さないでください!
匂いも残さないでください!」
「何気に酷いザンス……」
「残されると困るんです!
私もみんなにバレたら困るんです!」
ほんと何ザンス……朝からこのテンション……
しぶしぶ着替える。
「パッツンパッツンじゃなくなったけれど、短すぎるザンス……」
「お、お父さんのですから……
朝ごはん用意しますから、待ってて下さいね」
せかせかと動き回る小娘。
これじゃグータラも出来ないザンス……
小娘の作った朝食を食べる。
飯を作れなんて頼んでないザンスが……
……なんだか、これはこれで……
至れり尽くせり……
「……六つ子にはバレなかったザンス?
ミーを助けたこと」
「はい、大丈夫ですよ。
昨日もいつも通りでしたし、朝はみんなまだ寝てるので」
ハハと渇き笑いの小娘。
「……チミ、それでいいザンスか?
毎日毎日ダラダラしてるニートと暮らして……」
「え、えっと……ちょ、ちょっとずつですけど、みんなも頑張ってますよ?」
「全然フォローになってないザンス。
甘やかし過ぎるとろくな大人に……って、あいつらはもう大人。しっかりチミが尻叩いた方がいいザンスよ」
この小娘ちゃん……六つ子を甘やかしすぎザンス!