第44章 夢に囚われて

「丁度、半分か……
フフフッ面白いね……六つ子だから？」

ヒナ？は飛び込んできたチョロ松を飽きた玩具のように手であしらう。
すると、目がハートになったチョロ松はベッドから簡単に落とされた。

「チョロ松兄さん！大丈夫っ！？」

「へ？！……あれ、僕今なんかした？」

「大丈夫か？チョロ松……
それよりあんた……質問に答えてくれる？
なんでヒナの格好してんの？」

「どっ、どうゆうことだ？おそ松？」

「……よく見ろよクソ松！こいつはヒナじゃねぇ！」

「えっ？！」

よく見ろって言われても……
三人はヒナ？を見つめる。

ヒナ？いや……誰……？

その姿はヒナと同じ……ように見えていただけ。
笑顔も声も笑い方も雰囲気も何もかもが少しずつ違って見えてきた。
一体、どこが似ていたのだろう？
最後にはそう思ってしまうほどに似ていないと三人は感じた。

「さて、私が誰だっていいだろう？
ここは夢の中だよ……
せっかくだから、この身体を好きにしてみるか？
と、聞いたんだ」

夢の中……
夢の中だと言われ、少し安心する六つ子
しかし、ヒナの姿をしたこの者にだんだんと不快感を感じ始める。



「もう一度言うぞ、お前は誰だ」

「……つまんないね？お前が長男か…
そんなんじゃお姫様返さないよ？」