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【松】猫と六つ子

第42章 君に捧げる 【一松 カラ松】


<一松side>

「一松……
ごめんね?」

「は?」

「勝手にいなくなって……
ごめん」

「……べ、別に……
そもそも俺の許可なんていらないでしょ」

こいつは自由だ
俺が決めることじゃない



「……本当はすっごい怒ってるでしょ?」

「怒ってない」

「怒ってる」

「だから、怒ってないって!!!」

ザバッ!と立ち上がって、大きな声を出したもんだからクラリと目眩がした。
ギュッと支えるようにヒナが俺に抱きついた。



「……俺達、今裸だよ?」

「……うん」

「自分で今何してんのか、わかってる?」

「うん、でも……
ごめん……ごめんね?」

「……謝るくらいならさ、
もうどっかいったりしないで」

「うん、ごめん」

「もう謝んな」

俺もごめん……
一瞬でもお前を手放そうとした俺を許して……



俺達はお互いの存在を確かめるように唇を重ねた。
深く深く繋がるように……
このまま離れないで一つになれたらいいのに……



「ん……っ、も、もうダメッ!のぼせちゃうっ!」

「えっ……」

そう言って、ササッと俺から離れて風呂場から出ようとするヒナ。
えええー……?
この俺の盛り上がった感情どうすんの?!
もう色々、収まんねーんだけどっ!?



「いちまーつ……のぼせるよ?」

「もうのぼせてる……」

俺はまたぶくぶく沈みながら、ジッと出ていこうとしているヒナを見つめた。

「……今日は一緒に寝ようね?」

……なんて言うあざというちの猫……



「……約束だからな?」

「はぁーい」

ずっとずっと離れるなよ。
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