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【松】猫と六つ子

第40章 君に捧げる 【トド松 十四松】


<ヒナside>

私は朝ご飯も食べて、朝風呂も入って、気持ちはスッキリしていた。
六つ子達と離れたここ数日の生活が辛くて、何もかもがどうでもよくなっていた分、胸がストンと落ち着いた気がしていた。

お風呂を出て部屋に向かう途中、茶屋の前を通った。
そこには茶屋のお姉さん達にお団子を貰いながら楽しそうに話す十四松がいた。



……えっ?
思わず足を止めた。
実際、六つ子達が私以外の女の人と話をしているところを見るのは滅多にない。
ていうか、ほぼない。

しかもなんか囲まれている……

原因はわかった。
十四松から黄色い耳としっぽが出ている。
なにそれ
めちゃくちゃ可愛いし……



でも……



ムカッ……
ムカムカムカッ!



チクチクと胸が苦しくなるくらいの独占欲が私の中で沸き起こった。
うぅっ!
こんな気持ちになるものなの?



「あーっ!ヒナみーっつけたっ!」

ピョンッと座ってた椅子から降りて、ニコニコと私の元へ駆け寄ってくる十四松。

「ね?ねっ?お団子いっぱいもらっちゃった♪
一緒に食べようよ!」

「……いらない」

さっきのスッキリした気持ちはどこへやら。
渦巻いている独占欲に胃が気持ち悪くなりそうだった。

「……ヒナ?」

「ん……きゃあっ!」

お団子を全部自分の口に頬張り串を捨てると、十四松は私を軽々と抱き上げる。

そのままスタスタと近くの窓から外に出た。



「僕とデートしよう!」
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