第40章 君に捧げる 【トド松 十四松】
<十四松side>
いつもと違う場所のせいか、ヒナが全然見つかんない!
僕はグルグルグルグル旅館を何周も回った。
旅館の中にあったお茶屋さんでお水をもらったら、お姉さん達が耳があると騒ぎ出した。
んー?昨日の薬のせいかな?
お団子もらえてラッキー♪うんまー♪
視線を感じて見てみたらヒナが僕のことを見ていた。
お風呂上りだったみたいで、ほっぺがピンク色だ♪
なーんか変な顔してるけど?
ヒナおもしろーい♪
僕はヒナを抱き上げたままピョンピョンと移動した。
「りょ、旅館の屋根の上だよ?
ここ!?」
「うん!だって外あんまり行きたくないでしょ?」
「う、うん……」
なんでわかるの?って顔をするヒナ。
でもそれくらいなら兄さん達でもわかるよ?
ヒナは本当は早く僕らの家に帰りたいんだ。
ここの場所、本当に嫌いみたい。
ヒナが変な顔のままだ。
「……なんか怒ってる?」
僕、なんかしたかなぁ?
朝はあんなにニコニコしてたのに、さっきからヒナのずっと落ち着きがない。
「お、怒ってないよ……」
そう言いながら手で顔隠して、ズーンとへこみだした。
ええーっ?!なんだ?なんだっ?
わっかんねーっ!?
こうゆうときに限って匂い全然わかんないしっ!
なんかお風呂あがりで、すっげーいい匂いだけど!
「うーん……
お風呂一緒に入りたかった?」
「違うよ」
あ、うん!
それは僕だった!
「お団子ほんとは食べたかった?」
「違う……」
うん!
もう口からは出せないしね?
「僕がお姉さん達と話してたのが嫌だった?」
僕がそう言うとビクッとなるヒナ。
わ、わかりやすぅーい……
「ち、ちが……わない……」
顔を隠しちゃってるけど、耳まで真っ赤になったヒナ。
ヤバいぞ……
すんごい可愛い……