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【松】猫と六つ子

第39章 ずっと一緒に 後編


<ヒナside>

暗い暗い闇……
電気もない
時計もない
固く重い扉は叩いても何も響かない



ここはそんなところだ。
外から閉めてしまえば、まるで時間が止まったようにここは静かで何もない場所……
小さな頃、お仕置きで入れられたことが何度もある。
怖くて怖くて泣き叫んでも誰も助けはこない。
子供にとっては恐怖の場所でしかなかった。

大きくなってからも何度か入れられたことがある。
門限を破ったり、男の子と遊んで遅くなったりしたらここが私の居場所。



今はもう二十歳も越えたというのに……
あの人は私を閉じ込めて押さえつける



どれくらい時間がたっただろうか?
たった一つの高い所にある格子窓から、月明かりだけが差し込む。
ここでの最長記録は一週間。
今回はきっと……まぁあの人は当分出す気なんてないだろうな……



三日ぶりのみんな。
顔を見れたら胸が苦しくなるくらい嬉しかった。
やっぱり別れの手紙なんか書くんじゃなかった。
何十回も書き直して……あんな短い文……

どうやって私の住んでるところ見つけたのかな?
早く……
ここから出てみんなのもとへ行けたら……



「にゃーん」
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