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【松】猫と六つ子

第34章 猫と松代


<チョロ松side>

居間では頬に手の痕がついた松五人。
はぁ~……
ちょっと調子に乗ってしまった……
ヒナちゃん怒ってるかな……

「なぁ……トド松遅くね?」

「ま、まさか……俺のレディがっ!?ノオォーッ!」

「いっいやいやいやっ!ないないないないっ!」

「……いや、ないって……え?まじ?」

「まじでぇー?トッティー?!」



「父さん、大穴ね?」
「そうだな、母さん」



すると、上から降りてきたのはヒナちゃん。
少し服が乱れきってる……
いや、僕らのせいなんだけど……

「……お父さんお母さん。
私、まだ……やっぱり選べません!
ど、どうしてもっていうなら……私、家を出ます!
だって、こんな私じゃお母さん達に孝行なんて出来ない!」

「そ、そんなことないのよ!
ヒナちゃんを追い出すくらいだったら六つ子なんていらないわよっ!」

「そうだぞ!ヒナちゃん
なんだったら、うちの養子になればいい!
娘が増えるんだったら、息子を捨てるぞ!」

「「だから出ていかないでぇー!」」

涙目のヒナちゃんに大慌ての父母。
ヒナちゃんを出てかせまいとしがみついている。
いや、けしかけたの父さんと母さんだからね?
実の息子捨てて養子にするって……どんな親だよ。



そこにトド松も居間に降りてくる。
頬には僕らと同じ赤い手の痕。
僕らは少し安心した。

「わ、私……今日は疲れたので寝ますね……」

泣いてる父母にそう言い、ヒナちゃんは僕らに向かってフンッ!と怒って部屋を出ていった。



「さてと!ヒナちゃんにみんなで謝りに行かないと嫌われちゃうね?」

「なぁ、なんでお前そんな笑顔なの?
……た、頼むからそんな勝ち誇った顔すんなよ」

「えっ?笑顔?そんなことないよ?」

「なっ何もなかったんだよなっ?
なっ?トッティー?!」

「えー?ふふっ♪」

「トド松……や、やめろ……」

「ヤバいぜ……」

「じょ、冗談かなんかだろ?トド松」

「えへへっ♪秘密だよ?」



「「…………」」

やめてくれーっ!
僕らのヒナちゃんがヒナちゃんがー!
トド松とだなんて!あああーっ!!
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