第32章 兄二人 逆ハー
<ヒナside>
あっという間に相手をボコボコにして追い返す二人。
「あーっ!すっきりした!
いいストレス発散だったわ!」
「フッ、そうだな。
まぁ相手にもならんかったが」
そう言って笑い、仲良く座り込んだ二人を私は抱きしめた。
本当に……私はどうしようもない。
「……レディ?涙がっ」
「あいつらに何かされたのか?!
追いかけてぶっ殺すっ!」
「ちがっ……違う……」
止まらない。
どうしても涙がこぼれてしまう。
自分の感情が押さえられない。
「ヒナ、どうした?」
「怖かった?」
「……好きなの……おそ松もカラ松も……
好きで……ああ、私、何言ってんだろ……ごめん」
こんなの絶対おかしい。
二人とも呆れるに決まってる。
「俺も好きだっ!」
右腕を引かれ、カラ松にキスをされる。
カラ松の熱のこもった熱い感情が私の中に入り込む。
「カ、カラ松……っ」
「……こっち」
慌ててカラ松から離れた私の左腕を引き、反対側のおそ松にもキスをされる。
少し冷たくなっている唇なのに中は熱くて溶けそうになる。
「っお、おそ松くん!」
「好きだ。俺もすっげー好きだよ」
こ、こんなとこで二人とキスをしてしまった……ああーっ!
何してんの私!?
大混乱している私を二人は離さない。
「……なー?
そんな俺達のこと好きならさ……
相性で決めてもいいよ?」
「えっ?」
「フム……
まぁ、レディが選べないならしょうがないな。
どっちが良かったか最後に決めてもらうか」
「……は?」
「そーと決まったら行くぞーっ!
お兄ちゃん初めてだけど頑張っちゃうから♪」
「フフーン♪
初めてだろうが俺が負けるわけないだろ?」
二人に手を取られ、歩き始める。
「えっ?ちょっ、どこ行くのっ?!」
「どこって……やだなぁ~
こんなところでおっぱじめれるわけないだろ?
初めては場所考えないと♪」
「俺達はかまわんが、レディの裸を面前に出すのはさすがにまだ明るいしな」
「さっ、行こ行こ♪」
「おいで、レディ。
いっぱい愛してやるからな?」
こんなとこだけ息合いすぎでしょっ!?
あーっ!
なんでこんな二人が好きなの、私!?