第32章 兄二人 逆ハー
<ヒナside>
ある晴れた日曜日。
朝ご飯を片付けていると私のもとへ二人やってくる。
「ヒナー、今日は俺と競馬行こうぜ!」
「フーン♪残念だったな、おそ松。
レディは俺と出かける約束がある!」
そう、今日は出かけようとカラ松と約束していた。
「えー?今日なんかヒナ連れてくと当たる気がすんだよねー。代わってくんない?」
競馬の運扱いって……
「答えはノーだ!
今日は俺とレディは公園デートする。
そして、レディの作ったお弁当を一緒に食べるんだぁ♪」
目をキラキラさせて、おそ松くんに言い放つドヤ顔のカラ松。
可愛い……お弁当のから揚げ増やそう。
「はー?なんかズルくね?
俺も食いたい!食べたいよぉー!
ヒナの弁当」
お弁当と聞いて俄然必死になったおそ松。
いい大人なのに、なんでこんな可愛いの?
そう見えるの私だけ?!
私が末期なんだろうか……?
「ズルくなどなぁいっ!
レディと約束してたのはこのオレッ!」
「いいじゃーん♪
競馬場でもお弁当食べれるよん?」
「ノンノンノンッ!
レディと俺は公園でボートに乗るんだ!
そして愛を語り合い、二人の将来を誓い、二人の未来を確かめ……」
「それってカップルで乗ると別れるってやつじゃねーの?」
「な、なんだとーっ!?」
その場にガクリと力尽きるカラ松。
ボート乗る気だったんだ……
「まぁ安心しろよ。
カップルじゃないし?」
「んー?喧嘩売ってるのかぁ?」
「あーん?やっちゃうかぁ?」
「ま、まあまあっ!
どっちも近いしっ、三人で両方行こうよ!
ねっ?」
「えっ!えー……?」
「ちぇー三人かぁ……」
荷物を持って出かけようとしたとき、他の兄弟たちに声をかけられる。
「大丈夫?ヒナちゃん」
「えっ?何が?」
「馬鹿二人連れてくの大変だよー?」
「ろくなことないぜ!」
「……保証まるでなし」
「え、えっと……」
な、なんとかなるよ!う、うん!