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【イケメン戦国】Love is not needed.

第4章 その3





「ななし!信長様には俺達のように無礼極まりないあだ名をお付けするんじゃないぞっ」

「いや難しいわそれ。」

「せめて努力する素振りくらいは見せろよお前…。」


困り果てる秀吉に、これまで黙って観察していた信長が口を開く。


「よい、猿。…いや、ひでまま…か?」

「っ!信長様、お戯れはお辞めください。」


少し恥ずかしそうに、秀吉は目を伏せた。


「ななし、この俺にも秀吉や家康のように、貴様の感性のみであだ名とやらを付けるがよい。」


「はーい。…えぇっとー」


珍しく、しばらく考え込む。

のぶさん、のぶ様、おだちょん…
ななしは頭のなかで候補のあだ名を唱えるが、どれもしっくり来ない。

チラリと何気なく秀吉を見ると、物凄い形相でこちらを見ていた。
まさに鬼。


(これはさすがに下手なあだ名つけれないわ。)


後がめんどうくさそうだと、苦笑し再び考え込む。
そして、ふと思い出した。


(確か織田信長って、第六天魔王とか言われてるんだっけ…)


「………決まりました。」

「ほぅ」

「!」


秀吉がハラハラとした顔でななしを見つめるが、ななしは敢えてそれを無視しまっすぐ信長を見つめる。


「…魔王様、でいいっすか?」

「…お、おぉ…」

「…なんか俺達の時と違う。」


心底安心したような顔の秀吉と対照的にどこか不服そうな家康。

当の信長はと言うと、暫く無言でななしを見つめていたが、ふっと息を吐くと面白そうに言った。


「さすがの貴様も、先程の秀吉の形相に怖気づいたか」


バレたか。
と少しはにかむななし。
でも、しっくりきたあだ名ではあった為、遊びは少ないが気に入ったのも事実だ。


「猿も余計なことを…。まぁ良い、悪くない響きだ。」

「申し訳ありません信長様…」

「これで全員、あだ名が決まりましたね!」

「先に言っておくがくれぐれも俺をあだ名で呼ぶなよ三成。」

「え…さっそくイエティ様とお呼びしようと思っていたのですが…」

「やめろ」


魔王様
ひでママ
アケチーヌ
伊達ちん
イエティ
みっつん


こうして、武将達には奇妙なあだ名が付けられた。




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