【イケメン戦国】Love is not needed.
第3章 その2
「死んだはずでは…」
「まさか化けて出ているわけでもねぇだろ。」
「…その真偽は?」
「まだなんとも。私がこの目で確認してまいります。」
「噂が真であれば、大きな獲物だな。家康、政宗、いつでも軍備を整えれるよう、図らうようにせよ。」
「はっ」
「光秀、越後の偵察は貴様にゆだねる。」
「承知致しました。」
ここまで不熱心に話を聞いていたななしに、信長が不意に声をかけた。
「ななし、理解したか?」
からかうような視線を受け、ななしは面倒くさそうに答える。
「…信長さんを暗殺しようとしたのが顕如って僧侶だってことがわかったからこれから策を練る。あと、死んだはずの上杉謙信と武田信玄が生きてるかもしんないから、いざって時の為にいつでも準備しておけよ。あと偵察もしっかり続けろよって話ですよね?」
「ほぅ、そこまで馬鹿ではなかったか。」
信長だけでなく、他の武将達も意外そうにななしを見つめる。
「貴様は先程の本能寺の件でさっそく己の価値を証明した。今後もこの件に限らず越後の龍や甲斐の虎、その他の事柄にも運を運べ。」
「はぁ…。偶然だと思いますけど、まぁ頑張ります。」
毎度のことながら一言多いななしに対して、秀吉が片眉をあげ釘を刺す。
「素直に頑張ります、とだけ言えないのか。」
「ごめんなさいね、これが性分なもので。」
はぁ、
本日何度めかわからないため息を洩らす秀吉。
それを見て、信長が愉快に笑う。
「はっ。貴様は真に面白いな。」
「どうも。」
ななしがにっこり微笑んだ。
その後しばらくして、軍議は終局した。