第5章 「すれ違い」
「どうしたんだ?何かあったのか?」
逆に、心配されてしまった。
俺は、拓弥には大丈夫だ。と伝え、再び顔を伏せた。
拓弥は、本当か?という声が聞こえたが、それを無視した。
~闇璃~
私は、今……家にいる。
それも、学校サボって……。
大鎌を眺めていた。
……恐らくは、決着がつくのは、近いうちだろう。
そう遠くない未来だ。
死ぬのは、恐らく……私だろう。
……でも、最後まで足掻きたい……。
この運命から……。
頬に何かが流れた。
……涙?
久しぶりなようだ……。
とても、温かい……。
咄嗟に、私の本当の想いが込み上げてくる……。
「…っ…。死にたく…ない…。本当は…こんな…運命なんて…。瀞哉さん…ごめんなさい、そして…。」
私は、涙を拭いて……。
わざと冷たい表情を変えて……。
「…さようなら。私を…殺してください。」
これが……最後だよ……。
この想いは、届かない……。
誰にも……決して……。
あの人にも……。
~放課後~
今日は、部活のようだ。
俺は、部室に向かった。
すでに、1年生が準備をしていた。
さすが、行動が早いな。
その時、ある1年生の男子が……。
「ねぁ、今日どうやら、梁沢さん。お休みだったみたいだよ。」
他の1年生も、その言葉に驚いていた。
「マジで!?そんな休む人じゃないが…。」
そんな会話が聞こえてきた。
……やっぱり、闇璃は休んだのか……。
俺は、息を吐いた。
そういえば……朝会った時、彼女は傷を全く気にしていなかった。
……治ったのか?
俺も、天使の力か、傷はすでに治ってしまう。
……とりあえず、今は部活に集中だ。
俺は、セッセと動いた。
しばらくして、顧問が来て部活は、終わってしまった。
もう、夕方だが、いつもより早く終わった。
その理由は……。
死神が、活発に動いているせいだという。
だから、夜の活動は今は禁止されているらしい。
闇璃が、昨日2人も殺してしまったからな。
……闇璃……。
俺は、制服に着替え学校を出た。
拓弥は、もう帰ったらしいと顧問から聞いた。
1人……か……。
コンビニに寄った。