第4章 ●HE・N・TA・I☆
「君が実はマゾだったなんて思わなかったよ。
普段君は私に暴力を振るってくるから、
てっきりSだと思っていたけど・・・」
「それは、お主がセクハラを・・・っ!」
ナナシが口答えした瞬間、またお尻を叩き彼を黙らせると、
エルヴィンは「私が受けている打撃はこんなものではないんだが・・・」
と言い、何度かお尻を叩いた。
エルヴィンの肉厚な掌で何度も叩かれれば、
ナナシの白いお尻はあっという間に赤くなり、
静かな部屋に嗚咽が響く。
「あぁ、ごめんよ、ナナシ。少しイジメすぎてしまったようだ。
少し休憩しよう」
そう言うとエルヴィンはナナシの腰から手を離し、
急所を顔で受け止め、赤くなったお尻を労るように
撫で始めたが、ナナシは抗議の声を上げなかった。
どうせここで非難すれば、お尻を叩かれるか、
ソコをしゃぶられるか、秘部に指を突っ込まれるかされると
わかっていたので、大人しくして体力の回復を優先する。
だが、ナナシは甘かった。
・・・というより、エルヴィンが計算高過ぎたと言った方が
良いだろう。
一見、ナナシを休ませる為という体を装っていたが、
この行為は次のプレイの為の布石だった。
エルヴィンはナナシよりもナナシの身体の事を熟知していた。
如何に攻めれば快楽に溺れるか、どこまでの刺激でイッてしまうかなど
・・・快楽におけるエルヴィンの観察眼と緻密な計算は、
戦闘におけるナナシに匹敵するレベルだという事を誰も知らない。
もし第三者がそれを知っていれば
「巨人の為にその無駄な観察眼を使え!」と言われただろうが、
生憎そう言われてもエルヴィンはしれっと
「巨人はナナシでは無いから無理!」と即答するだろう。
ここまで自身の観察眼を高められたのも全て
「ナナシのお陰」と豪語し、
「その御礼をナナシに返すのも当たり前☆」と言って
セクハラをしまくる質の悪い男だった。