第8章 それぞれの片想い
『できたぁぁ!鈴花ちゃんすごく可愛いよ!』
「ほ、本当ですか…?
わぁ、吉野さんってすごく化粧が上手なんですね!」
そう言って鏡を見るすずかちゃん
そう、昨日言った通り現在私の家で例の作戦を実行中なのだ!
『へへっ普段はあんましないんだけどね』
「えっ!?いつも化粧してないんですか!?今も?」
『…うん、特には』
私がそう言うと何故か彼女はポカンと口を開いたまま黙ってしまった
『ごめんね、学校休ませることになっちゃって…』
「いえ、いいんです。昨日の今日で…正直あまり行く気にもなれなかったので」
時計を見ると時刻は丁度昼の12時を指していた
『放課後まであと3時間かぁ…』
準備万端な気持ちとは逆に急激な眠気が襲ってくる
早起きし過ぎたかなー…
瞼が重い…。
『ごめん、ちょっと疲れちゃったから少しだけ寝るね』
「あ、はい!」
少しだけ…。