第8章 それぞれの片想い
さっきの鈴花ちゃんの話を聞いた限りでは相当生意気な男の子だろう。
そこまでは許せる…でもブスって!!!
怒りの炎で燃えている私を見て鈴花ちゃんは苦笑いした
「でも、それは別に彼は悪くないし…だから私がもっと綺麗になる努力をして…」
『何言ってんのオオオ!!!』
私は彼女の肩を掴んで前後に揺らした
「吉野さん…目が回ります…!」
『すずかちゃんは全然ブスなんかじゃないよ!!寧ろ可愛いよ!』
「えっ」
『それを何を根拠にブスなんて…女の敵だ!』
よし、決めた!
『すずかちゃん!!』
題して…!
『もっと可愛くなってアイツを見返してやろう大作戦!!』
え、そのまま?そんなん気にしない!!
『すずかちゃん!そいつをギャフンッと言わせてやろうよ』
「ギャ、ギャフン?って…どうやって…」
不安そうにそう言う鈴花ちゃん
『すずかちゃんは今のままでも十分可愛いけど、さらに可愛くしてその生意気な男の子にすずかちゃんに言ったセリフを後悔させてやるの!』
「で、でも可愛くなんて無理ですよ」
『無理じゃないよ!』
女の子を振った上そんな捨て台詞吐くなんて許せない!…少なくとも私の何かが!!
『その腐った目!私が綺麗さっぱり洗い流してやるわー!!!』
「吉野さんこわいです…」
熱く燃える私の中の何かを見て鈴花ちゃんが言った
『いい?実行は明日の放課後!その数時間前から準備するから私の家に集合ね』
「えっ…でも私、化粧なんか…」
『大丈夫!私にまかせて!』
恋する女の子はいつだって可愛くなれるんだから!!
鈴花ちゃんと別れた後、一人帰り道を歩いていると目の前に一組のカップルが歩いていた
あ、手繋いでる…いいなぁ恋人繋ぎだ。
私もいつか沖田と……
- 好きとかじゃなく同じクラスの友達としてってことでィ -
沖田にとって私は…やっぱり友達としてでしかないのかな?
ハッと我に返り両頬をパンッと叩いた
『明日のことだけ考えよう!』
絶対に成功させてやるんだから!!