第8章 それぞれの片想い
【沖田side】
吉野、何してんだお前は!
よくみるとあいつの視線の先には数人の他クラスの女子がいた
傍には山本もいる
吉野は口を開いた
『あなたたち、どうゆうつもりでこんなことしてんのよ!』
「うるさい!あんたなんかが沖田くんと」
オレ…?
『付き合ってない! 』
彼女の言葉に目を見開いたのは数人の女子も俺も同じだった
『沖田は…私のことなんて何とも思ってない』
「でも…ッ」
『好きなのは本当だよ!それは嘘じゃない。あなたたちだって好きなんでしょ、沖田のこと』
吉野の言葉に女子たちは目を伏せる
『みんな…みんな片想いしてるんだよ!沖田が誰と何してようが関係ない!こんなマネするんだったら行動しなさいよ!沖田にアタックしてみなさいよ!』
「じゃ、じゃああんたと沖田くんは付き合ってないの?」
『そうよ、本気の本気の片想い中よ!だから私のことはどう言ったっていいけど、沖田や美々ちゃんのこと悪く言ったら許さないから!』
「ッ!…ごめ…なさい」
吉野の言葉に女子たちは涙を流し言った
数分後、予鈴のチャイムが鳴り、銀八がやってきた
「オラー、教室入れコノヤロー。あとそこの二人は保健室行って後程この状況を説明しろー」
そう言って女子たちのうちの一人と山本を指差す
「山本…立てるな?」
「はい…」
そう言って保健室に向かう彼女を吉野は呼び止めた
『美々ちゃん!』
「!」
『私…美々ちゃんの気持ちに気づかなくって…ほんとに…ごめんね。私っ」
「ううん、謝るのは私の方よ。あなたの気持ちも知ってたくせに自分の気持ち隠してあなたと接してた。それに諦めたほうがいいなんて最低なこと言っちゃったんだもの…ごめんね」
『美々ちゃん…』
「…こんなことがあったけど…それでも、私達の友情は変わらない…よね?」
『…うん!』
ほんとに…なんなんでィお前
どうしてそんなに…一途でいられるんだ。
「吉野、オメーも歩けるか?」
『はい』
「俺が連れていきまさァ」
『えっ』
「お、じゃあ頼むわ」
「行くぜィ」
俺はもっとこいつを知る必要があるのかも知れねェ