第4章 嵐再び
【沖田side】
「あ、それでねメール文に"セクカワ"って書いてたでしょ?」
いやもう言わないで、まじで。
「わ、私も実は今日それっぽいの着てて…」
顔真っ赤…熱中症か?
そういや、あいつさっきからメガネたちとビーチバレーばっかしてっけど…倒れたりしねぇよな…。
俺は山本の話を聞き流していて目線を気づけば全力でビーチバレーをしている吉野に向けていた
「沖田くん、この水着どう思う?……沖田くん?」
ビーチバレーに飽きたのか吉野は例の件で相変わらず不機嫌なままテントに戻って行った
そこへ土方がやって来て、何やら話している
よく聞き取れなかったが表情を見ると二人とも少し頬を染めて笑い合っていた
その様子に何故か無性に腹が立った
そしてさらに俺の隣にいた山本が同じく向こうにいる二人を見ていたようで小さな声で言った
「あの二人…付き合ってるのかしら」
気づけば体は勝手に動いていて、土方コノヤローにバズーカをお見舞いしていた
騒ぐ土方さんをよそに俺は吉野に目を向ける
その表情は俺をあからさまに警戒していた
『な、なに…ジロジロ見ないでくれます?』
吉野の言葉にイラッときた俺はまたしても彼女に喧嘩を振ってしまった
「誰がテメェなんか見るかよ、自意識過剰なんじゃねーの?俺はお前じゃなくて山本を見てたんでィ」
俺は言い訳を探すためにとっさに山本を指差した
吉野は一瞬目を見開くとたちまち顔を赤くして
『沖田のばーか!!』
そう言って走って逃げて行った
残された俺と山本の間に微妙な空気が流れる
その空気を感じとったのか山本は「桜ちゃんのところに行ってくるね」と言ってこの場を去って行った
「…はぁ」
「苦労してんな」
俺が溜息をつくと横から土方がこっちをニヤニヤしながら見てきた
気持ちわりぃ…。
「ほんと…めんどくさいですねィ女って」
俺は一体何がしたいんでィ。