第3章 距離【沖田side】
すぐ様吉野のもとへ駆け寄るチャイナと姐さん
「桜ちゃん!無事でよかったわ」
「もう大丈夫アルか?」
『うん、大丈夫だよ。心配かけてごめんね』
そう言って笑うあいつの顔は以前と何も変わらない
…銀八の説明では深刻そうに聞こえたが、案外あいつは大丈夫みてェだ。
「よ、あんま無茶すんなよ」
『あ、土方久しぶり!ちょっと見ない間に…マヨッた?』
「マヨッたってなんだよ。車に跳ねられて頭おかしくなったんじゃねーか」
『元からだよ』
「自分で言うな!」
特に意味のない土方との喋りを終えた吉野は俺の席の前まで来て何かを差し出した
『これ、この間は傘ありがとう!』
「お……う」
…またあの鬱陶しいのが始まるのか。
そう思って吉野の次の言葉を待った
『次移動だよ!じゃっ』
は?……
俺は慌てて吉野に振り返る
なんだあれ…。
あいつの表情も姿も声もいつもと一緒だ…
なのに何か……違う。
"違和感"
そう感じたのは俺だけか?