第7章 高杉との決別(注:R15)
「………………。」
俺がボーッと立ち尽くしていると、
銀時が着替えを俺に押し付けてきた。
「俺のしかないけど、着とけ。
あと、朝飯まだだろ?
適当で良ければ作ってやる。」
「………たまごかけごはんたべたい。」
「よし。」
銀時はにやりと笑ってキッチンに入っていった
俺よりも少し大きい銀時の服は
なんとか着れるものの、下は腰を上げれば
履けるものの上だけはどうにもならず
完全に彼シャツ状態だ。
その状態でリビングに戻ると、
もう食事は出来上がっていて
銀時が一言「ちっせぇ」なんて呟いた。
「もぐもぐ…おいしい。」
「そっか。良かったな。」
たまごかけごはんを頬張ると、
隣に腰掛ける銀時が頭を
わしゃわしゃと撫でてくれた。
起きた時には食欲なんて全く無かったのに、
銀時のおかげか、なんだか心のつっかえが
取れたようで目の前に出されたご飯が
とても美味しく感じた。
「………あ、新八と神楽は?」
「あぁ、あの2人なら今頃
新八ん家で飯食ってるよ。
ヅラと話があったし、追っ払った。」
「小太郎と話…?」
そういえばさっき、小太郎と何か
話してたみたいだった。
『澪が………』とか『その件については』とか。
「俺に関係ありそうな話だったよね?」
そう言うと、銀時は目を細めて、
また俺の頭を撫でた。
「昨日の事を説明してただけだっての。」
「ふーん。」
そっか。そうなんだ。ならいいかと
たまごかけごはんを頬張ると
銀時がぽつりと呟いた。
「……お前は知らなくていい。何も、な。」
その言葉の意味を俺は理解していなかった。
まだ、この時は…………。