第4章 再就職編
「えー…今回新しく真選組の仲間に入る
澪くんだ。皆、よろしく頼む。
…澪くん、一言、皆に挨拶を。」
「……あ、その、神崎澪っす。よろしく。」
「澪くんは、あの柳生家の御庭番を
勤めていたほどの実力者だ。
皆、仲良くしてやってくれ。
では、澪くんの仲間入りを祝って………」
「かんぱーーーーい!」
「「かんぱーーーーーーーーーい!!!」」
どうしてこうなった!!!!
俺の選択は間違っていないはずだ。
俺的には最高に採用したくない面接者を
演じたはずなのに…。
なんで、なんで採用されてんの俺!!
「ガッハッハ!!まぁ澪くん。
とりあえず今日は飲もうじゃないか!!」
んで、なんで皆酒飲んでるのこれ!!!
近藤局長に無理矢理肩を組み座らされると、
栗色の瞳と目が合う。
「安心しろや。アンタ、とっつぁんに
気に入られただけだ。」
確かこの人は、沖田一番隊長だ。
真選組で一二を争うほどの実力で
切り込み隊長と呼ばれている。
しかしあまり仕事もせずサボり気味。
副長にも食ってかかるという噂だ。
「オイテメェ…変な動き見せたら
即刻斬り捨てるからな。」
隣に座る輩にギロリと瞳孔を開いて睨まれる。
彼は土方副長。
言わずと知れた鬼の副長。
近藤は人望があるが仕事が出来ないため、
その代わり土方が仕事を捌いているという噂だ
「はははは………」
冷たく睨みつけられるのは土方だけじゃない。
心無しか周りの目も冷たい。
そりゃそうだろ。
元攘夷志士で元柳生家の御庭番。
睨まれて当然だ。
「………はぁ。」
でも、採用されたからにはしっかりやらないと
どんなに嫌な仕事でも、
受けた仕事は最後までやる。
それが俺のやり方だから。
「……飲もう。」
近藤に飲め飲めとついでもらった
酒を手に取った。