第23章 初心編
「…………へぇ、この子がちゃん?」
「ご指名ありがとうございます。です。
このお店は初めて?」
「初めてだ。
こんな可愛い娘がいるとは思わなくてさ……
実物の方が気に入った。」
「そうなの?嬉しい。」
「ああ。だから、他の女はどっか行ってろ。
この娘と話がしたいんだ。」
俺を指名したのは………服部だった。
気付かれないように笑って隣に座り
服部の太ももに手を置いた。
これが俺の常套手段である。
「二人っきりなんて、恥ずかしい…。
でも嬉しい。お名前はなんて言うんですか?」
「服部だ。」
「服部さんね。覚えましたわ。」
そうこうしているうちにドリンクが来る。
服部は運ばれてきたビールを1口飲んでから
俺の腰に手を回した。
俺も服部にもたれ掛かり、顔を近づける。
「……で、何の用?」
ふわりと笑いながら小声で言った。
周りから見れば、
2人は酒を飲みながら談笑しているようにしか
見えないだろう。