第23章 初心編
「…………よしっと。」
局長室で、1人、ふぅと息を吐いた。
書類を数枚捲るが、問題ない。
枚数、記入漏れも無い。
最後に局長の判子を押せば、完成だ。
「………やっと片付いたかな。」
周りを見渡すと、
局長室は書類の山が消えて幾分とすっきりしていた。
しかし、その分汚れも目立つ。
机の下や隅に埃が溜まっている。
「………後で掃除機かけよ。」
どうせ局長のことだ。
掃除なんてまともにした事ないのだろう。
まず、ものを退かして掃除するという
発想が無さそうだ。
したとしても表面的にしかしなさそう。
「…でも……その前に。」
まずは書類提出、だ。