第22章 帰宅編
おまけ
(澪視点)
「あー…眠い…だるい…ただいま………。」
俺が柳生家の門の前に立つと、
草陰からガサガサと音がする。
………ん?隠密隊?
何かあったのか?
「………ま、いいや。」
副長に睨まれながら真選組を後にして、
電車で寝過ごさないように必死で
目を開けて帰ってきた。
もういいや。早く帰って寝よう。
少し重たい門を開けると、
若が仁王立ちをして俺を待っていた。
「何がまあいいやだ。全然良くない!」
「あ。わ、若……。」
若の顔はまさに鬼。
心無しか地面が揺れている気がする。
そのくらい怒っている。
「帰ってきて早々何日も家を開けおって…
もう許さん!僕は許さんからな!」
「ちょ、若、俺ちょっと寝たいんだけど……」
「それも許さん!1秒でも寝させるものか!
僕の説教を聞いてから寝ろ!!」
どうやら鬼なのは顔だけではなかったらしい。
「ま、マジか………。」
俺はとほほと肩を落として
怒り騒ぐ若の後をノロノロと歩く。
もう何を言っても無駄のようだと諦めた。
「早く来い!澪!
言いたいことは山ほどあるんだからな!!」
「へい、ただいま……。」