第20章 春雨編 (注:R18 本番なし)
「申し訳ございません。
たまは視線を感じただけでございます。
敵意は無かったため、確認しませんでした。」
「そうですか…。」
ガックリ、と僕が肩を落とすと、
カウンターの向こうから声がする。
「なんだィ、あの子、
捕まっちまったのかい。」
お登勢さんだ。
タバコをふぅ、と煙を吐く。
「あぁ?…ババアには関係ねーよ。」
「関係あるサ。銀時の弟なんだろう?」
「だから違ぇって言ってるじゃねーか。」
銀さんが呆れたように言う。
「もしかして、澪さんは
その誘拐事件に
巻き込まれたんじゃないですか?」
「あ、きっとそうアル!
銀ちゃん、調べに行くネ!」
神楽ちゃんが銀さんの手を
無理矢理手を引っ張り、
スナックお登勢を出る。
「あ、それじゃあ僕達行ってきます。」
僕も続いて出ると、
銀さんが頭を掻きながら
歌舞伎町を歩いている。
神楽ちゃんが二ヒヒと笑って
走り出した。
やる気満々だ。
「誘拐事件を調べるって、具体的に
何するんだよ。」
「うーん…それじゃあ、
誘拐しやすそうな人を探すアル!」
「神楽ちゃんそれだと
誘拐犯になっちゃうから!!」