第20章 春雨編 (注:R18 本番なし)
(沖田視点)
朝食用に土方コノヤローの
マヨネーズにタバスコを入れようと
思っていたら、
朝一番、通報用の電話が鳴った。
「………チッ、誰だ?
こんな朝早くに。」
仕方なく、
それを脇に置いて電話をとった。
「……こちら真選組でさァ。
勤務時間外なんで
黙ってもらっていいですかィ?
こちとら今すげぇ忙しいんでねィ。」
『もしもぉし、柳生敏木斎じゃ。
ワシも忙しいんじゃあ奇遇じゃのぉ。』
「びんぼくさい?」
柳生敏木斎ってどっかで
聞いたことあるような…
………あ。
皿割合戦の時にいた、
あのすばしっこいジジイか。
ってことは、澪ん家からの
電話ってことか?
「なんか用ですかィ。」
身内ならば仕方ない。
用件だけ聞いて土方に回してやろう。
「実はのぉ、真選組から何人か
こっちに寄越してほしくてな。」
「オイオイ、ウチは介護施設じゃねーですぜ」
「介護じゃないわい。流血沙汰じゃ。」
「……流血ねぇ。」
話を聞くと、
柳生家の麓の山で事件が起こったらしい。
しかも、そこには。
「そこに澪の上着もあってのぉ。
…といっても、もうボロボロ
使い物にならんが。」
「…澪の?」
澪の上着ってことは、
澪がやられたって事か?
いや、そんなわけない。
澪はそんなヤワな野郎じゃねぇ。
「胸ポケットに警察手帳が
あるはずでィ。」
「…ならちっと調べてみるかのぉ…………、
ん?ああこれか。」
ゴソゴソという雑音と共に、
ジジイが何かを取り出す。
「…ああ、やっぱり澪じゃ。」
「…………はぁ?」
警察手帳を見ても澪だと言うならば
本当にその上着は澪かもしれない。
「…アンタ、本気で言ってんですかィ?」
「…とにかく、来てみれば分かる。
最低限の人数で構わんから来てもらえんか。」
「ジジイやっぱボケて…。」
「…じゃあの。待っておるぞ。」
そう言い残し、電話は切られてしまった。