第18章 柳生九兵衛生誕祭編(原作沿い)
「澪、今年もアレを行います。
若の護衛、お願いしますね。」
東城にそう言われて、
ああ、もうそんな時期だったかと
思い出す。
若の誕生日を祝う生誕祭…。
芸能界、政界の各大御所を呼び、
大体的に行われる食事会は、
毎年恒例の行事だ。
その中には若に媚を売る者、
輿矩様のお付き合いで来ている者など
様々である。
「今年は何名か若のご友人を
お呼びしたいのですが…
手配、お願いできますか?」
「うん、いいよ。」
俺は主に当日は若の護衛、それ以外にも
招待状を送る手筈も行っている。
「その友人様のリストです。
私が最近若に聞いた話で、
1番最近関わった方々を選びました。」
東城からリストを受け取る。
上から………
お妙さん、新八、神楽、銀時、
小太郎、長谷川さん…………
と、名前が並んでいた。
「これって、竜宮城の………」
「ええ、とても思い出深い事件だ、と。
皆で一緒にお妙ちゃんを守ったと
とても嬉しそうに話していましたので。」
「……そうなんだ。」
東城が若の友人枠を呼ぶなんて
今まで無かったことだ。
輿矩様とは違い、若は
あまりお偉い様には友好関係を
持たないとはいえ…
銀時達…ただのご友人を呼ぶなんて。
東城……一体何を考えているんだ?
「……………。」
「宜しくお願いしますね、澪。」
「あ………うん。」
疑問は残るが、この生誕祭の主催は東城だ。
何かしら思惑はあるのだろうけど、
ここは主催に従っておくか。
「では、私は
会場の料理の準備がありますので。」
「了解。」
生誕祭で守らなければいけないのは
若に悟られてはならないこと。
若は毎度の事ながら誕生日を忘れているので
察されることはないが、
変に勘ぐられないよう気をつけなければ。
こういう時、いつも変な動きをしているせいで
疑われない東城が羨ましい。