第16章 ドライバー編(原作沿い)
「俺なりの見解ですけど…。
澪は真選組で絶対的な存在に
なりつつありますから、
その忠誠心から来るものではないかと…。」
「そんな、絶対的なんて……。
俺には意味不明だよ。」
「そうだとしても、頼れる人間が一気に
いなくなって唯一頼れるのが
澪だけだったじゃん。
仕方ないよ。」
「…そうなの?……………はぁ。」
「それに、決定打で
澪の天使のカードが………」
山崎がそう話をしようとすると、
隣の神崎が思い切り
山崎を殴りつける。
「なんだ?……天使?」
「あはは、退ったら何言ってんだよ
馬鹿だなぁ殺すぞ。」
「ヒッ……」
山崎は必死に神崎から遠ざかる。
何かワケありみてぇだな。
…話してくれそうにはねぇが。
「いやぁ、でも凄いじゃないか。
あれはあれで統率が取れてると俺は思うぞ!」
「あは…ははは。
俺はもうコリゴリです……。」
神崎はこの数週間で隊士からの信頼を
得てしまったらしい。
しかも、かなり過度な信頼を。
そのせいで神崎のプレッシャーが
増しているのかもしれない。
「……とにかく、今日限りで局長は辞めます。
近藤局長、引き続き宜しくお願いします。
隊も大分変えてしまいましたので
元に戻すなり新体制にするなり
ご自由にどうぞ。」
「え、そうなの?もういいの?」
「ええ…やっぱり俺にはトップは
向いてないですよ。
せいぜい脇役のモブで十分です。」
「えーそうなの?澪くんが
局長やってくれるなら俺暇できると
思ったのに。」
「…ふざけないでください。
俺がなんのために局長頑張ってきたと
思ってるんですか。」
神崎はあくまで
俺達が戻ってくるまでの任期だと
思っていたらしい。
…ちなみに俺もそう思ってたよ近藤さん。
「…テメェの言いたい事は分かった。
とりあえず今まで通り神崎は
近藤さんの補佐でいいな?」
「ああ、その事なんですが…退。アレある?」
「勿論。近藤局長、どうぞ。」
近藤さんに紙を渡す。
どうやら日報集計のようだ。