第14章 真選組厠編(原作沿い)
(澪視点)
竜宮城の事件から少し後。
夏の暑さもなくなり、涼しくなり、
過ごしやすくなった。
それと同時に、最近少し変わったことがある。
「…おい、この前の件なんだがな……」
「あ、神崎、
これ近藤さんに渡しといてくれ。」
それは、副長が俺を
傍に置いてくれていることだ。
以前は、元攘夷志士で情報は持ってるから
利用する。
…が、怪しい動きをしたら叩き斬る。
そういう目で見ていた。
だから、書類を手伝いに来ても、
下々の書類しかやらせてもらえなかった。
けど、あの…伊東の反乱があってから、
少しずつ、重要な仕事も任され始めている。
何より、
「神崎、見廻り行くぞ。」
「はい!」
俺を見る目が優しくなった。
信用してくれたのだろうか。
勿論、伊東の反乱のおかげで隊士は
大幅に減ってしまい、
隊の配置はかなり変わった。
隊士不足だから、という点もあるかもしれない
それでも、副長に…誰かに必要と
されてることが嬉しくて。
副長に付いていく俺の足取りは軽かった。
「今日も平和ですね。」
「あぁ…。そうだな。」
江戸の街を2人で歩く。
周りは俺達を一瞬だけ見て目をそらし、
自分たちの行くべき道を歩いている。
怪しい人はいないかなぁと目を配っていると
フワフワと舞う銀髪が見えた。
「……ん?ありゃあ…」
「あ!!」
竜宮城以来会っていないから、
1ヶ月ぶりくらいだろうか。
最近は仕事も忙しくて会えなかった。
久しぶりに会えることが嬉しくて
甘味屋に座って団子を食べている銀時に
向かって直行する。
「ぎーんとき!!」
「……うぉあ!!急に出てくんなよアホ!」
目の前に滑り込むようにして出ていくと、
銀時は持っていた団子を落としそうに
なりながら叫んだ。
「アホは元からだ!」
「あぁそうだったな…って認めんなよ!」