第11章 真選組動乱編(原作沿い)
「ぬぉわっ…副長!?」
「誰もテメェを責めたりしてねぇよ。
むしろ…付き合わせたのは俺の方だ。」
「………。」
「それに…奴が乗っ取ってた時も文句言わずに
テメェが俺を護ってくれたんだろ?
それで十分だ。」
「………………。」
「もし近藤さんが暗殺される前に
俺が道端で殺られてたら今の真選組だって
無かったかもしれねェんだ。
神崎………良くやった。」
「…………………。」
副長は、今まで俺の事褒めたことなかった。
なのに、こんな時に急に褒めるなんて……
「神崎?」
副長は狡いお人だ。
「ふくちょおお………うっ……ぐすっ」
副長が俺の顔を覗き込んでくる。
俺の顔は今涙でぐしゃぐしゃで
見れたもんじゃない。
「なんで泣くんだよ!俺は褒めてんだぞ!」
涙で滲んでいるのに
副長が慌てふためいているのが分かった。
「ほめられてるから…
なみだがでちゃうんです…
おれ…うれしいんです…」
「……………神崎…。」
「ううっ…ふくちょおお……おれ…
しんせんぐみにはいって…
よかったです……ぐすっ」
「俺も今お前が入ってきて
……良かったと…思ってる。」
「うぅ………ほめすぎて…ふくちょうが
ふくちょうじゃないみたいです…
とっしーみたいです…」
「阿呆か。俺は土方だっつってんだろ。」
副長はそう言って笑っている。
鬼の副長だなんて言うけど、
本当はこんなに優しい人なんだ…。
そして最後にポツリと
「最後に江戸で団子でも食って帰るか。」
と呟いた。
俺はゴシゴシと涙を拭き、
「…はい!」
と返事をしたのだった。