第10章 風邪編
「局長、おはようございます。
昨日は申し訳ありませんでした。」
まずは局長の所に挨拶に行った。
局長はそんな時もある!と笑ってくれた。
やはり局長は心優しい包容力があるお人だ。
真選組をまとめているだけある。
問題は次である。
「………副長、おはようございます。
昨日は申し訳ありませんでした。」
鬼の副長たる土方十四郎。
もしかして今日は残業確定かと
心して来たのだが、どうやら様子がおかしい。
「…………あ、あぁ。
別に……その…気にしてない。」
副長はタバコをふかせて、俺から目をそらす。
もっとどやされると思っていた。
それどころかブツブツひとり言を言っている。
「あ、あの……副長?」
俺が顔を合わせようと近づくと、
副長はビクリと体を揺らした。
「ーーーッ!?な、なんだ。
気にしてねぇっつってんだろ…………!」
副長の顔は赤く、湯気が出そうなほどだ。
何かを言いたいのかパクパクと口を
動かす副長はいつもと違う。
「熱でもあるんですか?
顔、真っ赤ですけど…」
そう言うと、副長は目をまん丸に見開いて、
「知るか!てめぇのせいだアホ!」
と言って副長の自室から追い出されてしまった
「俺のせい………?変な副長だな……。」
俺がどんなに考えても副長が
どうして機嫌が悪いかは
全く検討つかないのであった。