第9章 合コン編(原作沿い)
少しすると、1台のパトカーがやってきた。
退と沖田隊長だ。
沖田隊長はものすごく呆れた顔をしていた。
「何やってんですかィ。海水浴の
季節じゃねーですぜィ。」
「いや…どう見ても違いますよね…。
どう見ても遭難ですよね…」
隊長にツッコむと、退がはは、と苦笑いした。
「…はい、タオル。」
「ありがとう、退。」
退から受け取ったタオルで
ゴシゴシと顔を拭く。
はぁ、生き返る。
「はぁ…上から下までベトベトだ…。」
髪をギュッと絞ると、雫がぽたぽたと落ちた。
髪留めもどこかに行ってしまったようで、
小太郎のように長い髪がさらに服を濡らした。
ふと顔を上げると、沖田隊長が
ジッと俺を見ていた。
「あの…俺に何か?」
「………、なんでもねぇでさァ。
あ、下着は新品買ってきやした。
白ブリーフしかありやせんけどねィ」
「四の五の言ってられません。
貸してください。」
本当はトランクスがいいのだが、
仕方ない。
家に帰ってから着替えよう…。
沖田隊長から白ブリーフをもらうと、
退もパトカーから服を出してきた。
「着替え、俺の私服だけどいい?」
「あー。ありがたい。着る着る。」
パトカーの後ろに隠れて着替える。
退の私服は俺にピッタリだった。
局長は上着だけ脱がせて
そのまま乗せていくことになり、
白目を剥いたまま、
パトカーに乗せられて帰った。
俺は若を迎えに、船の到着場まで
迎えにいった。
今日は散々だった。『合コン』なんて
二度と行くものかと心に誓った。