第9章 合コン編(原作沿い)
「もぐもぐもぐもぐもぐ。」
料理も中盤のところだ。
メインディッシュは唐揚げ。
「銀時、これ、おいしーぞ。」
隣にいる銀時に声をかけるが、
遠くの次元にいってしまっているようで、
全く返事をしない。
「……?まぁいいか。」
置いていかれるのはいつもの事だ。
俺はまた唐揚げを頬張った。
………………いや、頬張ろうとしたところで、
俺の唐揚げは儚く床に転がっていった。
「あ、ちょ、待って、」
唐揚げを取ろうと手を伸ばす……が、
唐揚げがどんどん転がっていってしまい
届かない。
「あ、あれ?なんか、床が揺れて……」
床がぐわんぐわんと傾き、
たくさんの料理が船から落ちていく。
船がほぼ垂直に傾き、浮き上がっている。
急のことに驚き、
俺は慌てて近くの柱を掴んだ。
「うわぁぁぁあ!!」
叫び声が聞こえ、色んな人達が
海に落ちていくのが見えた。
そして、俺の唐揚げも………
「かっかっ………からあげえええええ!!」
気付いたら手を伸ばしていた。
捕まっていた柱からも手を離し、
全てを投げ捨て、俺は最後の一つの唐揚げに…
「あ、おまっ!!澪!!!」
後ろで銀時が叫ぶのが聞こえたがもう遅い。
俺は真っ逆さまに船から落ちていくのだった。
背中に大きな刺激を受けて、
俺は呼吸が出来なくなる。
この感覚………2度目だ。
1度目は、数年前、崖から落ちて
川に飲み込まれた時。
2度目は今、海に落ちた時。
唐揚げはどこかに行ってしまった。
こんなことならちゃんと皆の話に
ついていけば良かったなぁ……
ふと横を見ると、見慣れたゴリラ顔がある。
あれは………
局長………?
俺は局長の手を掴み、
必死に上へ上へと泳ぎ始めた。
俺はともかく、この人が
くたばったら真選組は終わりだ。
俺は泳いで泳いで、泳ぎ続けた。