第3章 新しい日常
「なーに徹くん、ドライブ誘って何しようとしてたの?意外とえっちなんだね」
「ちっげーから!わかったわかった、指一本触れません、誓います!」
にやりと口端を釣り上げ子猫のように笑うリオ。
そんな彼女のペースに流される及川・・・
「あはは、冗談冗談、わかったよ。じゃあ、日程はまた今度、決めよ・・・?」
もう徹くんの地元の駅だよ、とリオに言われて及川は次に停る駅が自身の地元の最寄り駅だと気づく。
「もうここまで来たんだ」
いつも、早いなと思う・・・
「じゃあ、またね」
「うん、おやすみ、徹くん」
いつものようにひらひらと手を振り合って別れる。
扉がしまり、電車が動き出す。
お互いの姿が見えなくなるまで、変わらず振り続けたーーー・・・