イケメン戦国 家康三成メイン書庫(記念小説等例外有)◆R18
第6章 消せない熱 後編〈徳川家康〉
「も、許してぇ……っ」
「……その顔、堪んない。……許して欲しいなら、呼んでよ。俺の事……好きなんでしょ?」
「……っ」
甘く苦しい快楽に溺れながら、の胸にチクリ走る痛み。
家康を好きだという気持ちに気付いてしまったけれど、本当に呼んでいいのだろうかと、不安が過る。
帰らないと決断する事が、正しいのか。本当は、自分はこの時代に居てはいけないのに……
だが、を見つめる家康の瞳は、尚も熱く、熱を帯びていて―――
は掠れる声で、愛しい人の名を呼んだ。
「……家康……」
家康は待ち望んでいた言葉を聴けたのに、一瞬動きだけじゃなく、全ての思考が停止した。
名を呼んでくれたが、あまりに、綺麗で―――……
見惚れてしまった。
そして、その瞬間から、全てが鮮やかに色付いた気がした。にもう一度「家康?」と呼ばれて、我に返り、その瞳に獰猛な鋭さまでも宿らせて、また意地悪な微笑を浮かべる。
「やっと呼んだ。……ここまで意地を張り続けた理由、隠してる分も、後で全部言いなよ」
「……うん……分かった」
「よし。……今から、今度は嫌ってくらいイかせてあげる。沢山我慢したご褒美」
「……待っ、沢山って……っ!あああっ!!」