第25章 ウィンターカップ〜桐皇VS誠凛〜前編
『征十郎、大丈夫か?』
自分が苦しくても、周りを優先する彼女の優しさにどれだけ甘えて来たのか分かった
赤司「すまない…」
泣く”俺”を”僕”は咎めなかった
いや、お互いに泣いていた
”俺”も”僕”もどれだけが大事なのか、いなくなって気付いた
前にも母が亡くなった時に経験したが、それよりも酷く胸が痛む
赤司「…」
まだ何もお前に言えてない
『泣くなよ?な?』
幻想の中の彼女は変わらずに”俺”と”僕”に微笑む
違う幻想とかじゃなく…本物に会いたいんだ
『会ってどうするんだ?』
赤司「会って…気持ちを伝えたい」
それを受け入れられなくても、受け入れられても…
ただ一言に言いたんだ。好きだって