第22章 木吉と少女の出会い
私と鉄平が会ったのは真よりも随分前
まだ母が生きていた頃
近所がストリートバスケが出来る公園があった
「ふふ、本当には好きね。バスケ」
『お母さんも好きなんでしょ?』
体が弱かった母は入退院を繰り返していた
「えぇ…のパパも好きだったのよ?」
『……』
その頃から父は仕事仕事で家に帰ってくるのがなかった
今思えば浮気してたんだと思う
「パパの事嫌い?」
子供心に母は父が好きだったのが分かっていた
『そんな事ないよ?大好きだよ』
だから母を悲しませたくなくて、母を安心させたくて嘘を吐いていた