第6章 その陸〈秀吉ルート/ちょい艶〉
澄んだ青空の広がる、秋晴れの日。
安土城から荷物を抱えて、上機嫌な秀吉と、その隣に何やら考え込んでいる、恋人のが一緒に出てきた。
軽やかな足取りの秀吉を横目に見ながら、がそっと疑問を投げ掛ける。
「秀吉さん……」
「ん?どうかしたか?」
「まだ答えを見つけてないのに、一緒に住むのはまずいんじゃ……」
の疑問に、秀吉はにこにこしながら、自信満々な口調で答えた。
「大丈夫だ。条件は、満月までに答えを出せなきゃ、一緒に住まわせない、手出しさせない、だろ?」
「うん」
「要するにそれは満月後の話で、満月前の事まで含む、とは言われてない訳だ」
「…………」
「だから大丈夫。そんなに心配するな」
それはただの屁理屈では……と思うだったが、秀吉があまりに幸せそうな顔をしているので、これ以上は何も言わない事にした。
二人の気持ちが通じ合い、お互いの愛を確かめ合ったのが昨日の事。
秀吉は今朝、目覚めたに、「早速荷物を俺の御殿へ移そう!」と提案してきた。
が驚いて声も出せずに呆然としていると、あれよあれよという間に着替え等の支度が済んで、今に至っている。