第4章 その肆〈秀吉ルート/艶無〉
「そ、そうなんだ」
「ああ。……それに、今一番大事なのはお前だ。」
「……っ」
「確認したい。……は今、好きな奴って居るのか?居たとして、それは……信長様なのか?」
秀吉の問いに、は目を見開いた。そして、その問いを理解して、ゆっくりと左右に首を振る。
掠れるような、小さな声で、は答えた。
「違う。私が好きなのは、信長様じゃない……」
「……っ」
だんだんと視界がぼやけていく。
は、そのまま自分の想いを紡いだ。
自分が、誰を好いているのか。
誰を愛しいと、思っているのか―――……
「私が、好きなのは……秀吉さんだよ」
続く(次ページあとがき)