• テキストサイズ

GLORIA.

第4章 婆鎌





「あららっ……

婆ちゃんのせいで、気を失っちゃったじゃん…

怖がる顔…可愛かったからもう少し見たかったのに。」








クロウは婆さんから目を離さずにを抱え直す。








「ゔぉおおおお!!!その娘をよこしなァアアアア!!」









"ヒュンッ!!!"









大きな釜をクロウに振りかざしてきた。










「…おっとっと……危ない、危ない。

婆ちゃん、危ないってば。

どうすんのさ当たったら…」









「娘をよこせぇえええええ!!!!」










"ヒュン!ヒュン!!!"










次々と釜で攻撃してくる婆








(ここは一先ず…外に出るか……)








いつの間にか婆に家の隅へと追い込まれていた。









(はぁ……背後も両脇も壁か……)










1人ならヴァンパイアの能力を使って外へテレポート出来るが、


を抱えては無理だ。












「お前……妖怪の癖に何故に人間の女なぞ守るかァア!!!」











「…やっぱり人間の婆ちゃんなわけないか……鬼婆だね…」











「質問に答えろォオオオ!!!ガキ!!」











「ガキ?……ふふっ…俺がアンタよりガキ??

あはははっ…やっぱり純じゃない妖怪は駄目だねぇ…

力の差も…歳の差も分からないなんてさ…あははっ。おかしいね。」










「なんだと!??」










「アンタは"憎しみ"から産まれた妖怪…

人から忘れられたら消えゆく定め……

それは即ち"純な妖怪"とは言えないってこと。

純な妖怪は…どんなに忘れられてもその姿をこの世に留めていられる。

人の想いから産まれた妖怪…妖怪の股から産まれた妖怪…この違いは非情なまでに大きい…。

…さあ、婆ちゃん…自分の足元…見てごらんよ。」










「んぁ!!?」










鬼婆はクロウに言われるまま足元に視線をおとす。












「ぐぁああああああ!!!」










鬼婆の足が消えかけていた。


それは…この世から消えてしまうという(意)








/ 1287ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp