第22章 素敵な縁談
妖界での生活も、もう1ヶ月…
赤い月にも暗い日常にも慣れた。
それと…両親がいない悲しみにも……
でもそれは慣れたんじゃなくて、一緒に居てくれる黒やクロウさんのおかげだと思うけど…
たまに、高校にいきたいなとか…
着物だけじゃなくて、流行りの服も着たいなって考えちゃうことは今も正直言えばあるけど…住めば都…
黒
「お前さ、今夜ひま?」
掃除をしていると黒さんに声をかけられた。
「え?……はい、特に何も……」
黒
「それなら、俺と一緒に良い事しよっか。」
「もう、それ何回目ですか?ヽ(・∀・)嫌ですってば。」
黒さんの良い事とは…
つまり…その……交わる事をさしている。
暇になると、いっつもこう言って私を揶揄う。
「するつもり無いなら、言わないほうが良いですよ?
ほら…つらら女さんの"梅雨"さんが悲しみますよ?(*´ω`*)
最近、黒さんを訪ねてきては頬を赤らめているじゃないですか。」
そう…
ちょうど1週間前から黒さん行きつけの居酒屋さんで働いている
"つらら女"の梅雨さんが頻繁に黒家にやってきては、
お茶を飲んだり、一緒にお料理したりしている。
必ず黒さんがいる時に…
来る度に頬を赤らめているから、私は女の勘で"黒さんに恋する乙女"なんだと、密かに応援している。