第11章 赤い月
「 (΄◉◞౪◟◉`)へ?」
「って嘘だよ嘘、
トメさんに頼んで着替えはやってもらった。
ここまで連れて来たのは俺だけどね。」
(なっ……なんだ…( ;´Д`)ビックリした……
やめてよ…心臓が爆発するかと……)
私は浅い溜息を吐きながら、
ふとクロウさんが入ってきた少し開いた襖の向こうを見る。
(………(・・;)………)
襖の向こうのガラス戸から見える外の景色は…
"異様"という言葉以外に見合う言葉が見つからない。
(暗いし…空の月が赤い……
山で見た空と一緒……気持ちが悪いな……)
「そうそう、アンタに朗報だよ。」
「?」
「妖界に無事についた女はアンタを含めて7人…
めでたく10人の枠に入れたみたいだよ。」
「…そうですか…私……10人の枠に入れたんですね…(´・ω・`)」
「あれ…あまり嬉しそうじゃないね?」
「……そんなことないですよ…」
「そっか。気のせいで良かった。
これから見合いなのに、今更帰りたいとか思ってたら大変な事になるから。」
そんなことない……←これは嘘……
30人以上いた中で10人の枠に入れたのは良かったのだけど、
もう人間界に戻れない現実と、
この血生臭く赤い月が太陽代わりの暗い世界で生きていく自身がなくなって、酷く後悔している最中。
「そろそろ支度しないと。」
「はぃ…」
正直には言えないまま、私はお見合いパーティへの支度をはじめる。