第9章 赤鳥居の番人
暫く…1時間はスローペースだけど、
止まらずに登っていたら…
「ハァハァハァ………」
気づけば斜面は90度近くなっていた。
(ダメ……死ぬっ!(´;Д;`) )
さっきみたいに、
いま滑って落ちたら助かる確率は0に近いって言っても嘘にならない。
「ゔぅっ……」
指先からは血が出て、
ベトベトしていて滑ってしまいそう。
(もう…十分頑張ったよね…
諦めて死んでも自殺じゃ……ないよね……)
「…………」
覚悟をしながら…ふと必死に岩を掴む手を見つめる。
(…ボロボロになってるのに………頑張ってる……)
そして……クロウさんが私の足を労ったのを思い出した。
「………諦めちゃダメだ……」
踏ん張りながらも……また少し前へ前へと進み………
「ハァハァハァ………!!!?」
前方に灯が見えてきた
それに徐々に傾斜が緩くなってきて…
膝を床につけ…這いつくばれるまでになってきている。
(なんだろう……あの灯……)
灯に向かって這う