第21章 守りたい
「え?瑠李ちゃん、今なんて言ったの??」
言われた言葉が理解できなくてもう一度聞き返した
「この学校を辞めないといけないなら、雅人さんと一生喋りません!」
あまりの衝撃に俺はフリーズした
「雅人、どうするんだ?」
「と・・・とりあえず、帰って話そうか・・。」
マンションに着いてリビングで話し合いをする事にした
「で?どうするんだ?雅人。」
「瑠李ちゃんはどうしてあの学校に拘るの?」
瑠李ちゃんは真っ直ぐに俺を見て答えてくれた
「あの学校は・・ママとお姉ちゃんの母校だから。ママが校風が素敵だから是非お姉ちゃんにも貴女にも行って欲しいって。パパも・・・制服も可愛いし、家からも近いし、先を考えるにも安心できる学校だからって。だから途中で逃げたりせずに卒業するって約束したの。授業料や寄付金が高いけど、お姉ちゃんがそれでも行きなさいって。そう言ってくれたから、途中で逃げ出したり、辞めるわけにはいかないの。だからお願いします。このまま卒業まで通わせてください。」
そこまで真撃に語る彼女を凄いと思った
「雅人さんや、ハルさんが私を守るために言ってくれたのは凄く嬉しかったデス。でもね逃げたくないの。お姉ちゃんみたいに強くなりたいの。大事な人を守れるように。」
そう語った彼女の顔は凄く凛々しくて
ちょっとやり過ぎたと自己嫌悪したw
早川の“やり過ぎると嫌われますよ。”が頭を過った
間を置いた彼女が少し頬を染めて
「ありがとう、お義兄ちゃん・・。」
そのセリフにキュンとしたw
(ヤバイ!マジで妹っていいなw)
「雅人・・・そのゆるい顔がキモい。」
と、ハルが俺の浮かれた頭にとどめを刺した
「るぅ、晩御飯はどうする?」
「昨日、下ごしらえしてあるので大丈夫w」
「そうか。じゃあビールも・・・。」
「3本までです!w」
「・・・チッ。」
二人の些細なやりとりすら羨ましいと思った
優季にも思った事だけど
俺は瑠李ちゃんも大事な家族だと思ってる
だから、守ってあげたいって思ったんだ
いつか
優季や俺から巣立っていくかもしれない義妹に
全力で守ってくれる相手が見つかるまで
俺は君を守りたい
だから今回の件は許してネw