第2章 真っ直ぐなアイツと歪んだワタシ
中から聞こえていたボールの音が止んだのに気付いたのは、どれ位経ってからだろう。
「外周でも行ったかな……」
普段の練習メニューを思い出しながら、この後どうしようかと考えていると目の前に誰かが来た。
「やっと見つけた……」
声の主に驚いて顔を上げると、そこには東峰が困り顔で立っていた。
「な、んで……」
「いや、普通探すだろ? てか、まさかこんな近くに居ると思わないから学校中探しちまったじゃないかよ」
ハハハと、笑いながら頭をかく東峰。
「練習は……」
「こんなんじゃ大したこと出来ないし、探しに来た」
東峰はそのまま何も言わずに隣に腰掛けた。