第7章 元カノ【R18】
「…………」
「ま、こんなもんだろ」
想像には及ばないロイヤルスイートに落胆する私の肩をポンポンとして、繋心が先に中へと入った。
「改装してからは、けっこう綺麗になってんだな」
「えっ!? なに!!? 繋心入ったことあんの!!??」
「……まぁな」
「誰!?? 誰と!??? エミちゃん?? ユカちゃん???」
私は、高校時代に繋心を陰から思っていた子たちの名前を上げていくが、もちろん教えてくれることはなかった。
繋心は慣れた手つきで、備え付けの冷蔵庫からビールとつまみを出してソファーに腰掛ける。
「呑むんだろ?」
「うん……」
繋心の隣に腰掛け、缶ビールを一気に半分ほどあけた。
喉を通るシュワシュワとした感じと、鼻を抜けるビール独特の香り。
フワフワとした酔いが、再び私の身体を包んでいった。