第7章 元カノ【R18】
「繋心のいじわるー」
ブーブーと言いながらも、差し出されたお冷をチビチビと飲む。
程よく冷えた水が心地よい。
普段は、自分の酒の弱さも、酔った際のたちの悪さもわかっているのでセーブして呑んでいた。
でも、今日はリミット解除で、しかもピッチもかなり早かった。
ぼーっとする頭で、かすみがかった視界で、隣で美味しそうに私のビールを呑む繋心を見つめる。
「そんなジロジロ見られてたら呑みづれーだろ?」
「なんで繋心、彼女いないの?」
「ぶっっ!!??」
私の質問にむせる繋心。
「なんで?」
繋心の顔は、お酒のせいだけではない程に赤くなっていた。
持っていたジョッキの中身を一気に飲み干し「ホレっ、帰んぞ!」とぶっきらぼうに伝票の挟まったバインダーを持ってレジへと向かってしまった。
取り残された私は、大きなキャリーバッグを引きずって後を追う。