【テニプリ】a short story.【短編集】
第9章 【丸井】懐かしくて愛しくて
「あっそう。そんなに食べてまた真田に減量しろって怒られても、知らないんだからね」
そう私がからかうように言ってやると、ブン太はその上をいく、悪戯っぽい笑顔を浮かべた。
「そしたら、千花も運動に付き合って貰うまでだぜ」
「え、私?ブン太の動きになんかついてけないよ!」
「違う違う、そーじゃなくて。二人でベッドでする運動」
どーよ、天才的だろぃ?なんて、ただの下ネタにまたドヤ顔のブン太に笑いこける。成程、私たちはちゃんと恋人同士らしい、なんて改めて認識して、またスイーツに手を伸ばす。
変わっていないようで、日々小さく変化していく私たちの関係のように、少し表面の溶けたアイスは、それでもやはり美味しかった。