第36章 おねえさんがしてあげる【十四松】
「ふふっ、入っちゃった」
彼女の楽しそうな声。
ぼくは荒い息を吐きながら目を開けた。
ヤ、ヤバイ……気持ちいい……ほ、本当に……中に……。
「愛菜さん……」
「どう? 初めてのセックスの感想は?」
「っ……」
苦しい。今すぐにでも愛菜さんの腰を掴んで突き上げたい。
でも腕の自由を奪われているぼくには無理だ。ここからさらに気持ちよくなれるかどうかは愛菜さん次第。生殺しだ。
「十四松くん、切羽詰まった顔してるわね。動かしてほしいの?」
「あ……あい……」
うなずくぐらいしかできない。もういいから早くしてほしい。
愛菜さんは「しかたないなぁ」と呟くと、腰をゆっくりと上げた。粘着質な水音とともに男根が蜜壺からずるりと出る。
ギリギリ抜けないところまで上げると、またゆっくりと味わうように腰をおろした。
「あっ……あああっ!!」
再び飲み込まれていく。
「気持ちいい?」
「も、もっと……」
愛菜さんは少し笑うと、また腰を上げた。同じようにゆっくりと腰を沈める。
な、何これ……。気持ちいい。気持ちいいけど、この刺激だけじゃたぶんイケない。すごくもどかしい。
「十四松くん、かわいいなぁ。もっと速くしてほしい?」
「はっ……速くして……」
「だーめ」
愛菜さんは低速ピストンを繰り返す。抜けそうになるたびにぼくの身体は震え、挿入され直すたびに背を反らして啼いてしまう。
「愛菜さんっ……お願いだからっ……も……もう少しっ……は、速く……」
「う〜ん、どうしようかしら?」
愛菜さんがまた腰を上げる。
「お、お願いっ……」
男根を飲み込みながら下りてくる蜜壺。ぼくはまた声を上げた。
「辛そうね、十四松くん。じゃあ、これならいい?」
突然、愛菜さんが腰を大きくグラインドさせる。
「ぐあっ……!」
吸い上げられるような感覚。あそこが燃えているみたいに熱い。