第4章 夢松事変【カラ松】
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私たちは抱き合ってソファに寝転がった。
「もうっ! カラ松、ひどいよ。中に出しちゃって」
私が膨れると、カラ松はフフンと笑った。
「ノープロブレムだ。責任は取る!」
前髪をかきあげながら、カッコつけて言い放つ。
「何が『責任取る』よ! 偉そうに! ニートでしょうがっ!」
私はカラ松の頬を思い切りつねった。
「い、いだっ! やめるんだ、カラ松ガール!」
「カラ松ガールじゃないっ!」
カラ松はニヤリと笑った。
「オレのパーフェクトファッションを勝手に着ておいてよく言うな。どっからどう見てもお前はカラ松ガールだぞ?」
「ち、ちがっ!」
「それに……」
カラ松は顔を赤らめた。
「オレのこと、好きなんだろ……?」
ドキッとする。ここで嘘なんてつけない。私は素直に頷いた。
「うん……カラ松のこと、好きになっちゃったみたい……」
そっとカラ松の頬に口付ける。
カラ松が嬉しそうに目をキラッキラさせて叫んだ。
「フッ、お前はやはりカラ松ガール! 明日からはオレと同じパーフェクトファッションで」
「それは、絶対に嫌ーーーー!」
「あー! ハニー! なぜ、殴るんだぁあ!」
――こうして、私たちはエンジェルが羽根を休めしソファの上でじゃれ合いながら、ラブという名の美酒にクレバーに酔いしれたのだった……。
ん?
って、違う違う! 何言ってるの、私は!?
私は決してカラ松ガールなんかじゃないからねっ!?
イタくなんてないんだからねっ!?
絶対に絶対に違うんだからねーっ!?
―END―